和歌山母親大会

くらし・子どもを守る母親運動②

2010年代~

(資料)ポストの数ほど保育所を

70年代、お母さんが安心して働けるようにと、地域で自治体交渉をすすめ設置されていきました。日赤「あすなろ保育園」も日赤労働組合は病院へ、また母親連絡会としてみんなといっしょに県当局へ何度も足を運び、運動の末うまれたのです。とにかく自分たちでつくろうとお母さん2人と子ども2人、保母さん2人で出発した湯浅の「ひまわり保育所」は、すべて自分たちで運営し、大きくなる中で、認可運動をすすめ認可されたのです。

保育が危ない!!公的保育制度を守る運動

2011年6月の保育運動

21世紀に入り、女性の社会進出が進む中で、公的保育制度の拡充が一層必要とされているにも関わらず、政府は保育制度を含む社会保障制度全般の大改悪を進めてきました。

自公政権に替わり、「コンクリートから人へ」のスローガンで登場した民主党政権でもその流れは引き継がれました。新たに出されてきた「子ども・子育て新システム」は、人口密集地の待機児童問題を逆手にとり、これまでの公的保育制度の根幹を覆す内容でした。それは、幼保の統廃合による認定こども園設置とその民営化の流れを一層推し進め、設置基準の切り下げや企業参入まで可能にするものでした。

全国的な批判や「保育を守れ」の運動が広がる中で、児童福祉法の「公的保育」の条文はかろうじて残されましたが、2012年8月、民自公による「社会保障と税の一体改革法」が成立し、「こども・子育て支援新制度」も発足となりました。

和歌山県では56回県母親大会(2011年6月)で、「保育・子育てを産業化する『新システム』反対…」の特別決議を上げ、新婦人、保育団体・労組など5団体共同で、全30市町村に「国への意見書採択」請願・要請運動を展開しました。

保育問題での全県的な運動としては、今回が初めてのことでした。意見書の採択は10自治体でしたが、保育問題を一定浸透させることができたことが大きな成果でした。 今後、各自治体の保育政策への具体的な要求運動の展開が重要です。

子ども・子育て新システム導入に反対し、現行保育制度 の拡充を求める意見書提出を求める請願・要請運動

和歌山県と県内30市町村に請願及び陳情の運動を行い、国に対しては、総理大臣及び関係省大臣に要請書を送付しました。30市町村のうち、10市町で採択され、国への意見書があがりました。県議会では、請願書の内容が後退した形での採択となりました。

(資料)子ども・子育て新システム導入に反対し、
現行保育制度の拡充を求める意見書提出を求める請願書

和歌山県議会 議長 殿

請願団体・代表者名

和歌山県保育運動連絡会 会長

新日本婦人の会和歌山県本部 会長

和歌山県母親大会連絡会 会長

全国福祉保育労働組合和歌山支部
執行委員長

和歌山自治体労働組合連合
執行委員長

紹介議員

請願事項

現在、国において検討されている「子ども・子育て新システム」の拙速な導入を取りやめ、現行の児童福祉法に基づく公的保育制度を堅持し、働き続けながら安心して子どもを産み育てられる環境づくりのための更なる制度の拡充を図るよう、求める意見書を提出されたい。

請願理由

現行保育制度における保育所は、女性の社会進出が進む中で、子どもの幸せと育ちを守り家庭の子育てを支えてきました。今、若い世代に低賃金、不安定雇用が広がる中で、幼い子どもを抱えながら家計を支えるためにも働きたい、働かざるを得ない女性が増えています。

政府は、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに、「子ども・子育て新システム」の導入を推し進めようとしています。この「新システム」は、子どもの最善の利益を守る児童福祉法に基づく制度として長年機能してきた現行保育制度の解体を企図するものです。そして、改革の内容を保育関係者、保護者、広く十分国民に知らせることなく、強引に進めようとするものです。

「子ども・子育て新システム」が導入された場合、今まで明確にされていた国と市町村の保育実施義務がなくなり、保育の認定をするだけで保育所入所までの責任も持たなくなります。保護者は我が子の保育所を自力で探し、直接契約をしなければなりません。保育料も、所得に関係なく利用時間に応じて決まります。そのため、「お金がなければ必要な保育が受けられなくなる」と、低所得や母子家庭の保護者から心配の声が聞かれます。障害児や保育に課題を抱えた子どもの保護者からも、「我が子の受け入れ」を危惧する声が上がっています。

また、この「新システム」は、営利企業の参入を認めて保育を利潤追求の対象にするもので、地域間格差も生むおそれがあります。そして、保育労働者の雇用形態も変わり、労働条件悪化とそれに伴う保育の質の低下をもたらしかねません。

今、保育現場で問題になっているのは、都市部での待機児童(特に3歳未満)の増加と、過疎地の児童の減少による保育所確保だと思われます。これらは、現行保育制度の枠内で認可保育所の拡充等で解決できる問題です。

このような状況から、保育所の充実を求める意見書と「新システム」導入に反対する地方議会の意見書は、2府36県150市町村議会を超えて広がり続けています。貴議会からもすでに、「保育所・児童入所施設の環境改善を求める意見書」を国へ提出していただいています。

自ら声を上げられない幼い子らの未来を考え、引き続き最善を尽くして頂けることを信じ、上記の請願事項について国に意見書を提出されるよう強く要望いたします。

(参考例) 子ども・子育て新システム導入に反対し、現行保育制度の拡充を求める意見書

政府は、「社会保障と税の一体改革」の名のもとに、「子ども・子育て新システム」の導入を推進しようとしています。この「新システム」は、子どもの最 善の利益を守る児童福祉法に基づく制度として長年機能してきた現行保育制度解体を企図するものです。

「子ども・子育て新システム」が導入された場合、保護者は我が子の保育所を自力で探し、直接契約をしなければなりません。保育料も、所得に関係なく 利用時間に応じて決まります。そのため、「お金がなければ必要な保育が受けられなくなる」と、低所得や母子家庭の保護者から心配の声が聞かれます。障害児や保育に課題を抱えた子どもの保護者からも、「我が子の受け入れ」を危惧する声が上がっています。

また、この「新システム」は、営利企業の参入を認めて保育を利潤追求の対象にするもので、地域間格差も生んでいきます。そして、保育労働者の雇用形 態も変わり、労働条件悪化とそれに伴う保育の質の低下をもたらしかねません。

今、保育現場で問題になっている都市部での待機児童(特に3歳未満)の増加と、過疎地の児童の減少による保育所確保等の問題は、現行保育制度の枠内で認可保育所を拡充することで解決できる問題です。

よって、国におかれましては、子どもの権利と幸福を最優先に考え、現行の公的保育制度の拡充を図られるよう、以下の事項について強く要望します。

  1. 公的保育制度を解体する子ども・子育て新システムの導入を中止すること。
  2. 現行の児童福祉法第2条、第24条に基づく公的保育制度を堅持・拡充すること。
  3. 保育の質の低下につながる保育所の国基準の引き下げは行わないこと。
  4. 民間保育所運営費の一般財源化は、行わないこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

2012年   月   日

和歌山県議会議長

(意見書提出先)

  • 衆議院議長
  • 国家戦略担当大臣
  • 参議院議長
  • 総務大臣
  • 内閣総理大臣
  • 財務大臣
  • 厚生労働大臣
  • 文部科学大臣
  • 少子化対策担当大臣

県母親大会連絡会の対県交渉

和歌山県母親大会連絡会は、毎年の申し合わせ事項に基づき、対県交渉を続け、さまざまな要求を実現してきました。

(資料)第58回県母親大会の申し合わせ事項を中心に要求をまとめ、母連対県交渉

第58回県大会in上富田町(2013年6月9日)

2013年11月20日(水)、県の各課の担当者と、24項目の要求に基づいて交渉。参加者は30名。県議の高田由一氏が同席。

「『日の丸』の掲揚を強要しないで下さい。」の要求に、「強要しようとする趣旨のものではない。」と述べました。和歌山市の小中学校で、教育長通達により、今年4月より常時掲揚させられていることについて、「実情をつかんでいない。」と答弁したのに対し、早急に実情把握する約束をさせました。

「子どもの医療費無料化の年齢引き上げを」の要求では、地道な運動により、何らかの引き上げ措置をする自治体が30分の29まで広がる現状を受け、県として、「『就学前』から1年でも2年でも引き上げる努力を」と迫りましたが、即答を避けました。

参加者から、「『国の方針通り』と言った態度でなく、県庁で働く公務員として、県民の生活を守る役目を自覚して、もっと積極的な姿勢を見せてほしい。」と言った声が出ました。

話し合いの中で、「学校給食の放射性セシウム検査が実施されている」ことや「県内の自然エネルギー施設が徐々に広まりつつある」ことが分かりました。

「保育所・子育て」問題は、各地域ごとの要求運動が大事な時期にあることを実感しました。 交渉結果を地域に持ち帰り、要求実現の活動に活かしていきましょう。

(『わかやま母親通信』第24号より)

(資料)11月18日(水)28の要求項目で、母親対県交渉

第59回県大会in和歌山市(2014年6月1日)

今年は、県大会分科会の多彩な内容を反映して、要求項目に、「障害者の65歳以降の介護保険への組み入れ」「女性の低年金・無年金」「生活保護基準の切り下げ」「労働者の使い捨て」「県防災訓練にオスプレイ参加」などが加わり、多様なものになりました。 その中でも、参加者から強く要求が出されたのは、次のような項目でした。

  • 「全国学力テスト等を中止してほしい。学習状況把握は校内テストで十分。他県との成績比較や無用な競争は真の教育を歪める。早期に30人学級にする方が有効。」と繰り返し発言しました。しかし、担当者は、「調査は学習状況を把握し指導の改善を図るのに有効。学力向上のための手だても考える。」と言うだけでした。
  • 高校授業料無償制度に所得制限を導入された件で、「大量の書類で保護者が負担に感じているし、学校の対応も大変。プライバシーにかかわる項目もある。7~8割の保護者が無償になる中で、かえって費用がかかっているのでは。」との発言に、担当者も、「様々な問題はある。こんなにも大変で時間もかかるとは。事務の簡素化と分かりやすいようにと要望をあげる。」と答えました。
  • 「改定介護保険制度」では、認定基準が厳しくなり、多くの高齢者が介護保険から除外されることが予想されます。支援1、2は保険自体から外される、特養の入所は、原則介護3からとされる、介護保険料は上がっていく、市町村の責任が一層重くなり地域差が出る可能性がある、介護職員の確保が難しいなど、問題が山積しています。しかし、担当者は、国の方針を説明し、要は自治体任せの答弁を繰り返すだけでした。私たちも、今後さらに学習を重ね、問題点を一つ一つ指摘しながら、少しでも改善させる方向で運動を強めていく必要があると思います。
  • 「『障害者差別禁止条例』や『手話言語条例』を県として早期に制定してほしい。」との要望に対して、他の要求項目の回答同様、「国や他府県の動向を見て。」「国に対して働きかける。」と言うと答弁に終始しました。「県母親大会への手話通訳派遣についてはっきりとした答弁を避けましたので、今後要望を強めていきます。
  • 「子ども・子育て支援新制度」は2015年4月実施に向けて、「各市町村の9月議会で新条例が策定されてきている。各地でニーズ調査や説明会をもって、10月以降に新年度の募集が始まる予定。」と説明がありました。認定こども園は、「今県下10余園余りで、今後申請が増えてくると考えられる」とのことでした。ママたちを中心とした保育運動は、海南市で「地域の公立保育所・幼稚園を残す、公立幼稚園の保育時間延長・給食回数を増やす」など一定の成果を上げています。
  • 「子ども医療費無料化の年齢引き上げ」についても、長く要求を言い続けているにもかかわらず、「それぞれの市町村の実情に応じて施策の特色を出していただく。」と白々しく答弁しました。今後一層、医療団体、保育団体、子育て世代と連携を強めた全県運動を広げていくことが大切だと、沸き起こる怒りと共に痛感しました。

(『わかやま母親通信』34号より)

(資料)県民文化会館などの授乳室・おむつ交換トイレの増設・改善を

第60回県大会in太地町(2015年5月17日)

2015年11月の対県交渉の要求書を検討している最中に、子育て中の新婦人の方から、「県民文化会館会議室で、乳児のおむつ交換トイレが見つからず困った。」との声が寄せられ、要求として追加を考えましたが、直接会館へ話し合いの申し入れをすることになりました。

11月9日(月)、「善は急げ」と、母連2名、新婦人1名(当事者-赤ちゃん連れ) で行き、会館側職員2名と懇談をしました。(1階奥に多目的トイレがあることがわかっていた。)

要 望

  1. 全階のトイレに、おむつ交換設備がほしい。
  2. 1階に多目的トイレを設置していることが分かる案内掲示がほしい。

回 答

指定管理のみを任されているので、予算や工事を伴うものは即答できないが、県の担当課に伝える。各階に障害者トイレは設置しているので、その壁にベッドを設置する方法で、多目的にすることは可能かも知れない。 1階の多目的トイレの案内が不十分だったという点は理解できた。

(『わかやま母親通信』第41号より)

(資料) 県への子ども医療費助成の中学校卒業まで 拡充を求める要請署名行動に取組んで

第61回県大会in海南市(2016年5月29日)

和歌山県知事
仁坂 吉伸 様

子ども医療費助成の中学校卒業まで拡充を求める要望書

子どもは病気にかかりやすく、抵抗力が弱いため重症化することも多く、子どもの病気の早期発見・早期治療は大変重要です。親の収入に左右されることなく、どの子も安心して必要な治療を受けられる医療費無料制度の拡充は、大きな子育て支援になります。義務教育終了時までの医療費無料化は、多くの親たちの切なる願いです。

県下の多くの市町村で、親たちと地域住民のこうした要請を受け止めて、中学校卒業までの医療費無料制度を実施していることは嬉しい限りです。

和歌山県は、現在、「乳幼児医療費助成」として、県下の自治体に就学前までの助成を実施しています。かつて、この制度が実現した時、本当に喜ばしく感じました。

そもそも医療制度は、直接、いのち・健康に関わるものです。子どものいのち・健康に関わることは、市町村で格差なく、県下のどこで育っても、等しく大切にされなくてはなりません。大多数の市町村が無料制度化を実現してきている今こそ、県の制度として助成の対象年齢を拡大することが重要だと受け止めていただけないでしょうか。それによって、市町村の医療費の負担軽減に確実につながるとともに、地域ごとの特徴ある子育て支援制度に予算を組むことをより可能にできると思います。

和歌山県は、人口減少が深刻に進んでいる県です。もっと誰もが住みやすく、子育てがしやすい県となる施策を強く望みます。

以上の趣旨から、次の事項を要請します。

【要 望 事 項】

一 県として、子ども医療費助成を中学校卒業まで拡充することを求めます。

取扱団体 第61回和歌山県母親大会 in 海南市

原発ゼロへ 東日本大震災被災地の復興を!

2011.3.11東日本一帯を襲った巨大地震と大津波。そして、東京電力福島第1原発事故による放射能汚染は、大震災被害を一層深刻にした。 同年の9月3日、和歌山県を直撃した台風12号による被害も、紀南を中心に深刻に広がった。そして…。

(資料)2012年 原発ゼロ!震災復興!いのち守ろう!3・11県民大集会

原発ゼロの運動と被災地支援活動が全 国に広がった1年だった。 この日、県下各地から集まった2,500 人。

和歌山城西の丸広場にぎっしりテント が張られ、物品販売や子どもたちの元気 な声でにぎわった。

震災・台風災害の復興!原発NO!

(資料)2012.11.11原発ゼロへ  全国いっせい行動に46都道府県230カ所超 県内でも、雨の中7カ所でアピール行動

第57回県母親大会(有田・湯浅町)での 特別決議に基づいて、「原発ゼロ・原発再稼 働反対」の運動に、各地で取り組んでいます。

東牟婁母連の事務局長からは、「毎週金曜 日の関電前の集会に行っています。」との元 気な連絡が届いています。

県母連では、「原発ゼロ」の横断幕を製作 し、11.11の有田地方の集会でお披露目しました。(写真)あいにくの雨模様でしたが、有田教育会館前に思い思いのアピールカードを持った50名が集まりました。

午後からの和歌山市の集会は、本降りの雨となり、この横断幕が使えず残念でしたが、予定通りアピール行進は実施されました。 各地での参加ご苦労さま。

原発再稼働は許さない!原発は今すぐゼロに!